Motion 
          モーションとは「会議進行や手続きに関する提案」だと思ってください。
          
          日本語では「動議」と訳されます。あえてこの言葉に寄せて説明をするなら、「次の動きに対する提案」ということです。
          
          模擬国連を始めて見る人の中には、裁判の「異議あり!」的な発言だと思う人もいますが、そうではありません。
          
          模擬国連会議では公式討議中、スピーチがずっと続いていきます。何もしなければずっとスピーチのままです。
          
          しかし、もちろんそれだけでは実質的な議論はできません。「そろそろアンモデに入ってDRの交渉をしたいな」「DRを提出したい」「もう会議終わりにしようよ」など、いろいろ思うわけですよね。
          
          そこで、流れを変える一手がこのモーションです。
          
          例えば「アンモデを30分行う」といったようなモーションを出し、それが全体で承認されたら、晴れてアンモデに移れるのです。
          
          細かいことは会議参加をしながら覚えていけば良いですが、まずは「何をするにもモーションが必要なんだ」ということを理解しましょう。そして、会議経験を積むにつれてモーションを使いこなし、会議の流れを作れるようにしていきましょう。
          
          ちなみに、他の大使がかっこよくMotionを出す姿を見て、会議後に初心者たちの中で「Motion」がプチ流行語になるというのは「模擬国連あるある」です。
          
          
          
          モーションの取り扱い
          
● モーションの募集
          公式討議中、スピーチが数か国終わった段階で議長が“Are there any points or motions?(申し立てや動議はありますか)”と聞いてきます。これが「動議の募集」です。
          
          
          ● モーションの提案
          それに対してモーションを出したい国は、プラカードを上げながら“Motion”と発言します。議長がプラカードを上げている国を順番に読み上げていきます。
          
          その後、順番に「What is your motion?」と内容を聞いていくので、その内容を言います。議長は、とりあえず全ての国のモーションを聞き出していきます(時間短縮のため「モーションを聞くのは3か国まで」と会議細則で決めている場合もあります)。
          
          
          
          
          ● モーションの受理と投票
          モーションが出そろったところで、優先順位の高い順に処理をしていきます。例外的に、議長が必要かつ有益と認めた場合は、議長裁量で採択の順番を変更することができます。
          
          自動受理の場合は投票なしに処理されて文書が配布されます。
          
          投票が必要な場合は参加者全員にYESかNOかをプラカードで挙げてもらい、過半数もしくは3分の2が賛同している場合はそれを可決し、そうでなければ否決します。
          
          可決された場合はそのモーションを実行するため、他の優先順位が低いものは投票に至らずに自動的に不採用となります。否決された場合は次点の優先順位のモーションの投票に移ります。
          
          なお、このモーション採択に対する投票は実際の決議の内容(実質的事項)に関するものではなく、あくまでも会議のあり方や進行(手続的事項)に関することですので棄権ができません。全参加国がしっかりとYES、NOのどちらかの意思表示をする必要があります。
          
          
          
          
          
          モーションの種類
          モーションにはいくつかの種類があります。大きな分類としては、以下の3つに分かれます。
          
          モーションの受理および可決の条件はそれぞれ異なりますが、そのモーションの意義が分かっていれば簡単です。
          
          ● 文書提出に関するモーション
          ワーキングペーパー、決議案、修正案を提出、撤回するときのモーションです。
          
          会議のゴールは決議案の採択ですから、文書提出の権利が保障されていなければ会議になりません。もし「過半数の同意がないと提出できない」というような拘束があれば、敵対国に数の原理で邪魔されることもあるかもしれません。
          
          ですから、文書提出に関しては提出国の数などの条件がクリアしており全てのスポンサー国が提出に賛同しているものなら自動的に受理され、文書が議場に配布されます。
          
          文書提出のモーションの優先順位が高いのも文書提出を一番に保障しているからです。敵対グループのDR提出を先延ばしにさせたいからと言って、アンモデのモーションばかり出すグループがいたとしたら会議の進行、決議の採択に支障が出てしまいます。
          
          そのようなことがないように文書提出のモーションは速やかに、そして誰からも邪魔されることなく処理されるようになっています。
          
          ● 議事進行に関するモーション
          アンモデやモデに入りたい、会議を終了したい、討議を終えて投票に入りたい、など会議進行に関するものです。
          
          会議は参加者みんなのものですので、どう進行するのか、終了するのか否かは過半数の賛成がなくては可決されません。
          
          ただし、討議の終了については話し合いの打ち切りを意味するものですので、半分の国が賛成しているだけでは不十分です。本当に必要かつ十分な議論を尽くし、決議の採択に際して責任のある一票を担保できるように3分の2以上に設定されています。
          
          ● 公式発言に関するモーション
          議事進行に関するモーションに似ていますが、スピーチの時間を制限したり、スピーカーズリストを閉じたりといったようにスピーチに特化したモーションです。
          
          これも会議進行に関わることなので参加者の過半数の賛成が必要です。
          
          モーションの撤回
          自分の出そうと思っているモーションがすでに別の国によって出され、重複している場合は、それを取り下げます。誰がモーションを出したかが問題ではないで、会議進行がスムーズにいくようにします。
          
          
            
              
                | ・  We
would like to withdraw our motion. |